私 @mihagiya は50歳過ぎに、新卒で入社した会社を退職しました。その際に退職金を手にしましたが、退職金による自宅の住宅ローンの繰り上げ返済は行いませんでした。
このあたりのことについては、以前書いていますので、よろしければそちらもご覧ください。
その後、再就職をし、健康であればあと数年65歳までは、今の会社で勤務できそうですが、その後は、このブログを書き始めたようにどのように生きていくか考えているところです。
自宅の住宅ローンの返済は行いませんでしたが、サラリーマンとしての収入が無くなっても、退職金の運用に大きな失敗をしなければ少しずつ取り崩しながら返済はできるかと考えています。
また、現時点では、売却すればローンの返済はできそうというのが一つの安心感になっています。
ただ、売却してしまうと、どこに住むの、という問題もあるので、別の選択として自宅に住み続けながら資金を得られるというリバースモーゲージについても勉強したいと思いました。
結論としては、リバースモーゲージの利用も、将来的には1つの選択肢になりえるという結論になりました。
リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージとは、持ち家である自宅に住み続けながら、自宅を担保にして生活資金などを借り、借入人が亡くなったときに担保になっている自宅を処分し、借入金を返済するという仕組みです。
「リバース=逆」という名前がついているように、普通の住宅ローンが借りたお金を月々返済するし最終的に借入残高がゼロになるというのに対して、その ”逆” で、月々ではなく、自宅を処分を処分することで最後にまとめて返済するというものです。
取り扱っているところは?
リバースモーゲージは、金融機関かと思ったら、各都道府県の社会福祉協議会でも取り扱っているようです。
ただ、金融機関と社会福祉協議会では、借入金の使い道、貸付限度額や対象となる物件が異なるようです。
民間の金融機関のリバースモーゲージとは
金融機関で利用できる年齢や金利など色々違いがあります。
簡単に言うと、金融機関が取り扱っているものは、一定以上の収入がある方が豊かな老後生活を送るためのもの。
社会福祉協議会が取り扱うものは、最低限の生活のためで低所得者向けです。
それ以外にも色々違いがあり、主な特徴は以下のようになっています。
金融機関が取り扱うリバースモーゲージの特徴
金融機関が取り扱うリバースモーゲージの特徴
- 充実した老後生活を送ることが目的
- 借入人は生存中は毎月利息分のみ支払い
- 借入人が亡くなった後に相続人が自宅を売却するなどして元金を一括返済
- 事業資金や投資目的以外なら利用用途は自由
- 多くの場合は55歳以上の人が利用可
- 子供等が同居していても利用可
- マンションでも資産価値があれば利用可
- 貸付限度額は担保物件の50~60%
- 担保物件が首都圏や関西圏などの都会の物件が対象
- 金利は変動金利
- 年金などの一定の収入が必要
社会福祉協議会のリバースモーゲージとは
一方、社会福祉協議会のリバースモーゲージも、担保の評価額異なるなど違いはあるようですが、特徴は以下のようになるようです。
社会福祉協議会が取り扱うリバースモーゲージの特徴
(※評価額等は神奈川県社会福祉協議会の場合)
- 高齢者の自立支援が目的
- 返済は借入人が亡くなった後に相続人等が利子を含めて一括返済
- 資金の利用用途は生活費のみ
- 利用できるのは住む人全員が原則65歳以上
- 担保となる不動産に高齢者以外が住んでいる場合は利用不可
- 担保は土地付き一戸建てのみで、建物だけや分譲マンション居住の場合は不可
- 担保の評価額が1,500万円以上なら地方部でも利用可
- 貸付限度額は、担保の70%以内、月額30万円以内
- 金利は「長期プライムレート」または年利3%の低い方
- 世帯員の収入が市民税非課税世帯または均等割課税程度の低所得者が対象
リバースモーゲージの取扱機関のまとめ
金融機関が取り扱っているものと、社会福祉協議会が取り扱っているものでは、まったく違うことがわかりますね。
今、私が考えていることでいえば、金融機関が取り扱っているものが該当することになりますので、以下、金融機関が取り扱っているリバースモーゲージ、特に「リバースモーゲージ型住宅ローン」について、更に深堀していきたいと思います。
リバースモーゲージ型住宅ローンとは
リバースモーゲージ型住宅ローンとは、リバースモーゲージの借入人が亡くなった後に一括返済するという仕組みを活用し、住宅の建設・購入、リフォームなどの費用の借入を行い、借りている間は利息を返済していくシステムで、住宅金融支援機構の【リ・バース60】を活用した商品です。
資金の使用用途は?
「通常のリバースモーゲージ」は、借入金を老後の生活資金などに充てることができますが、「リバースモーゲージ型住宅ローン」は、住宅関連資金への融資であり、生活資金等には使えないという違いがあります。
通常の住宅ローンとの違いは?
通常の住宅ローンと、リバースモーゲージ型住宅ローンの違いはなんでしょうか?
最も大きな違いは、まさに「リバース」部分、つまり、返済の考え方です。
通常の住宅ローンは、毎月元金と利息の返済を行い借入期間での完済を目指すのに対して、リバースモーゲージ型住宅ローンは、毎月は利息の返済のみを行い借入人が亡くなった後に住宅を売却して完済するという点です。
その結果として、リバースモーゲージ型住宅ローンには通常の住宅ローンと異なる以下のような特徴ががあります。
リバースモーゲージ型住宅ローンの特徴
- 毎月は利息の返済のみ行えばよいので、毎月の返済額が少ない
- 借入人が亡くなった後に売却による元金返済が前提なので、契約者は50~60歳以上が対象
- 借入人が亡くなった後は不動産が売却されるため、子供に資産を残すことはできない
- 将来売却できる物件が必須となり、主に都市部の不動産のみが対象
リバースモーゲージ型住宅ローンのメリットとデメリットは?
金融商品には当然、メリットもあればデメリットもあります。
先に挙げた特徴が、ある意味メリットにもデメリットにもなるように思います。
リバースモーゲージ型住宅ローンのメリット
- 存命中の支払いが利息だけになるので、柔軟に住み替えやリフォームを考えることができる
- 老後の住居負担コストを下げることができるので、豊かな老後生活のための余裕資金がうまれる
- 存命中に売却先を決めているようなイメージになるので、”終活” といえる
リバースモーゲージ型住宅ローンのデメリット
- 万が一売却時の不動産価格が低下していた場合は、相続人に負担をかける可能性がある
- (金利が高くなるが、売却金額が元金を下回る場合でも下回る分の返済不要となる「ノンリコース型」が選択できれば、相続人に負担をかけることはない)
- 子どもたちにとっても愛着がある自宅を子どもが相続できない
- (事前の話し合いが必要)
- 毎月支払う利息は、変動金利のため返済額が上昇するリスクがある
- 団体信用生命保険に加入することができない
- (自宅の “生命保険化” ができない)
契約者が死亡した場合、配偶者は自宅から追い出されるの?
リバースモーゲージは、夫婦での契約ではなく、あくまでも契約者は一人です。
一般的には夫、ということになるのでしょうが、その場合、夫が先に死んだ場合、妻が、「私はどうなるの?」という心配が生まれる。
一般的に男性より女性の方が平均寿命が長いので、当然の心配でしょう。
年金の繰り下げの損得勘定を調べた時に寿命についても調べたの、よろしければご覧ください。
どうやら、妻がどうなるか、は金融機関によってその対応が異なるようだが、多くは、妻が連帯債務者や連帯保証人になり、かつ同居していれば、契約は妻に引き継がれ、妻が亡くなるまで住むことだできるのが一般的のようだ。
もちろん、夫が亡くなった後も、妻が毎月利息の支払いを行う必要がある。この点は、一般的な住宅ローンのように団体信用生命保険がないので、致し方ないところか。
実際のリバースモーゲージ型住宅ローンの例
三菱UFJ銀行と、りそな銀行のリバースモーゲージ型住宅ローンの契約条件等を調べ、下の表にまとめてみた。
これを見る限り、使い勝手が良さそうなのは、りそな銀行の商品かなと思う。
三菱UFJ銀行の商品は、契約者が亡くなった後も配偶者が住み続ける際に銀行の同意が必要だし、「ノンリコース型」でないので子どもたちに負担をかける懸念がある。
実際にリバースモーゲージ型住宅ローンを活用する場合は、複数の金融機関の商品を調べ、更に説明をしっかり聞いてから決めた方が良さそうだ。
まとめ
自宅を担保にして生活に必要な資金を借りて、生活の足しにしたり、老後の豊かな生活に使ったり、という方法として、リバースモーゲージについて調べた。
私の場合は、横浜に土地付き一戸建てを所有しているので、社会福祉協議会と金融機関が取り扱う、性質が異なるリバースモーゲージが活用できそうだ。
今のところ、できれば自宅は、財産として子どもたちに引き継ぎたいとは思っているが、いざというときの1つの選択肢として使えそうだということが分かった。
しかし、実際に使うに当たっては、更に複数の金融機関等の商品を調べ、検討することが重要だと感じた。
リバースモーゲージの活用
- リバースモーゲージには、社会福祉協議会が取り扱うものと、金融機関が取り扱うものがある
- 社会福祉協議会が取り扱うものは、高齢者の自立支援が目的で、使途は生活費のみで、低所得者向け。土地付き一戸建てだけが対象だが、地方部でも活用できる
- 金融機関が取り扱うものは、豊かな老後を送るためのもので、利用用途は原則自由で、一定の収入がある人向け。マンションも対象になるが、都市部が対象となる
- 財産である自宅を担保とし、最終的には売却することになるので、配偶者はもちろん、子どもたちとよく話し合ってから検討する必要がある
- 実際に利用する場合は、金融機関等によって条件が異なるので、しっかり調べてから決める必要がある
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