人手不足の解消のためにシニア(高齢者)社員の活用が企業で始まる?!

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2021年10月14日の日経新聞朝刊に、『働きたいシニア 積極活用  ノジマ「80歳上限」撤廃』という記事が掲載されました。

人手不足が叫ばれる中、AIなど人に頼らない経済活動をすすめるとともに、シニア世代の活用が進むかもしれません。

目次

日経新聞の記事によれば

記事によれば、家電量販店大手のノジマは80歳が上限だった雇用制限を事実上撤廃したとのこと。YKKグループも4月に定年を廃止するようです。
コロナ禍からの経済再開に伴う人手不足の解決に高齢者を活用しようとする企業が増え、企業の競争力にも影響を与えそうだと解説されています。

ノジマの場合は、約3,000人の正社員いるそうだが現在75歳以上が10人程度とのこと。率にすれば1パーセントにも満たないので、事業運営にどれだけインパクトがあるのかはちょっと疑問かなぁと思います。ちなみに、一日5時間、週4日程度の店舗勤務で月給12万円程度とのことなので、時給にすれば1,300円前後でしょうか。

日本経済新聞
働きたいシニア、積極活用 ノジマ「80歳上限」撤廃 - 日本経済新聞 企業で働く意欲のあるシニア社員を積極活用する動きが広がっている。家電量販大手のノジマは80歳が上限だった雇用制限を事実上撤廃。YKKグループも4月に正社員の定年を廃止...

現状は?

今のところ、多くの会社が定年の引き上げではなく、嘱託など正社員以外の身分で60歳以降も雇用する制度を定めている企業が多いと思われます。
記事にも、9月に実施した「社長100人アンケート」では、

 嘱託など正社員以外での雇用 36.8%
 定年時期引き上げ      10.4%

ということで、長年年功序列だった歴史がある企業ほど、若い年齢層の社員との関係も考慮しないといけないので、その傾向が強いのではないかなぁと思います。

また、シニア世代にも時代の流れから成果主義が持ち込まれる傾向があると書かれていますし、私が所属した二つの会社ともそういう制度になってきています。
個々人によってどう思うか異なるとは思いますが、私見としては、そこまでして働きたくない、と思うシニア世代が多いのではないかなぁと思っています。

働くシニアの意識は?

働く側のシニア層の意識についても、同じ日の日経新聞の『きょうのことば』に『シニア雇用』として取り上げられていました。

それによると、パーソナル総合研究所による調査を引用し、60歳代の働き手の4割は70歳以上まで働き続けたいと希望しているとのことです。

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< 出典 パーソナル総合研究所 の シニア人材の就業実態や就業意識に関する調査結果 より引用>


個人的には意外に多いんだなぁという感じがします。
やはり「年金2000万円問題」や働くことへの愛着というか、働かなくなった時にの”恐怖”というか、ずっと働いてきた人々からすると、働かなくなった時の不安の方が意外に大きいので、働きたいとおもうのかなぁと思います。

日本経済新聞
シニア雇用とは 就業機会確保は70歳まで きょうのことば - 日本経済新聞 ▼シニア雇用 中央大学などの予測によれば、少子化などで2030年に国内の労働需要は労働供給を644万人上回る。外国人労働者の受け入れや女性の労働参加と並び人手不足解消の...

シニアの労働力はAIに置き換わるのでは?

昨今は、「AIが様々な仕事を代替するようになる」として、仕事がAIにとって代わられたり、仕事そのものがなくなったり、仕事の質が変わると言われています。
そんなこれからの時代に、一般的には保守的になったり、昔の成功体験をベースにしがちなシニア世代の経験が生かせる仕事や、そんなシニアを欲する企業があるのでしょうか?

調べてみると、厚生労働省の懇談会が「働き方の未来2035」という報告書を2016年8月にまとめています。
少し古いですが、その報告書の参考資料のところに、以下のようなイメージが書かれています。

【ケース 2016年61歳、2035年80歳 男性】

彼が新卒で入った会社の定年は65歳でした。しかし人手不足により、70歳までその企業で勤めることになります。66歳からは小さな会社を起業して副業を開始。その収入と退職金があったため経済的な不安はありませんでしたが、引退しようという気分ではなかったため、71歳以降も働き続けることにしました。

といっても会社勤めではなく、インターネットで受注したボランティアの仕事です。彼の専門の仕事はAIを搭載したロボットが代替するようになっていましたが、文化保護団体から以前の仕事のやり方を保存するという目的で発注が来るのです。報酬はロボットが使う電気代程度ですが、彼にとってはやりがいのある仕事です。

そこで判明したことが、AIと人の手とでは仕上がりに微妙な差があるということでした。結果として再度人間の仕事としての見直しが始まり、彼の技術も役に立つ可能性が出てきています。彼は昔の仲間に声をかけ、近々NPOを設立しようと考えています。目標は100歳まで生涯現役、健康のため近所のプールで週に3日泳いでいるそうです。

「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」懇談会

仮にこのような事例になるとすると、定年までの働き方と、リタイヤした後の働き方が変わってくるということかもしれませんね。

あわせて読みたい

厚生労働省の「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」懇談会

「働き方の未来2035 ~一人ひとりが輝くために」 2016年8月

まとめ(みはぎやの思いとしては)

僕としては、”遊んで暮らしたい” とは思うものの、現実を考えると年金がいくらもらえるのかという投稿で書いたように、”遊んで暮らせる” ほどの年金をもらえるわけでもないというのが悲しいところでしょうか。

また、健康面を考えても、仕事をしていた方が健康的に生活できるという気もしますし、世の中との接点がもてると思うので、あくせくではないものの、程よく働きたいと考えています。

その意味では、シニアになってからは成果主義でがんじがらめに縛られるのは避けたい、と思っています。

さて、10年後、20年後、どんな生き方、人生になっているでしょうか。そのころに、このブログを読み返してみたいなぁと思います。

パーソル総合研究所
70歳までの就業時代に向け、シニア人材の実態や若手への影響に関する調査結果を発表 定年後再雇用で年収は... パーソル総合研究所はPERSOL(パーソル)グループのシンクタンクです。お客様の人事課題に「寄り添い続けるパートナー」として、組織・人事コンサルティング、人材開発・社...
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この記事を書いた人

還暦もすぐそこに迫り、そろそろサラリーマン人生もカウントダウン。
人生100年時代と言われていますが、2021年夏から88歳の義母との同居を開始したことで、より一層残りの人生を考えるようになりました。
これからの「生き方」について、自分の考えの整理と備忘もかねてこのブログを作っていきたいと思います。

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