私 @みはぎや の投資の基本スタンスは、インデックス投資による長期、分散、積み立てですが、無理のない範囲で攻めの投資も行っています。
その一環として、2021年11月からトラリピも開始し、12月に週足の”滞在率”に着目したトラリピレンジの設定を行い、11月~1月の3か月平均で、単月約3万円の利益を確保しました。
トラリピは、含み損を抱えながら細かく約定して利益を積み上げていく手法ですが、今のところ含み損も大きくはない状況です。これは、レンジ設定が良いから、というよりは、相場が安定しているから、だと思いますが…
”週足滞在率” を使い始めて3か月、今回、改めて考え方の整理と見直しを行いました。
なお、”週足滞在率”については、以下の記事を参照してください。
”週足滞在率” で実際に設定して分かったことから設定パターンを考えます
”週足滞在率” で設定を考えたとき、どうレンジを設定するか迷うときがありました。そこで、改めていくつかのパターンで考えてみました。
”週足滞在率”の基本パターン(パターン①)について
”週足滞在率”を模式化すると、下図のようになり、これが当初私が想定した基本パターンです。
私は理系で、システマチックにトラリピレンジを設定したい、という欲求を満たすために考えたもので、論理的にこれが正しい、ということではありません。
25週分の週足の滞在率のピーク(頂点A)と50週分の週足の滞在率のピーク(頂点B)の中間値xを、ハーフ&ハーフの境界、つまり売り注文と買い注文が切り替わる値にすると考えました。
また、買いレンジと売りレンジの下値あるいは上値は、滞在値が頂点AまたはBの滞在値から半減したときの値yとzとしました。
なお、このyとzの値が、25週分の週足の滞在率の範囲外だった場合は、25週分の週足の滞在率内の端の値としました。
このようの設定レンジを考えたのは、比較的短期の25週分の週足のグラフは、比較的長期の50週分の週足のグラフに近づいていくのではと考え、ここをコアレンジとすれば、仕掛けた注文が約定しやすいのではと考えたからです。
実際に”週足滞在率”を使ってみてわかったこと
この考えでトラリピの設定を考えたとき、まずオージーキウイ(AUD/NZD)をイメージしながら行ったので比較的うまくハマったのですが、キウイドル(NZD/USD)の場合は、現在値が25週分の週足滞在率と50週分の週足滞在率の頂点の間ではなく、かなり下の方に位置していました。
下の図は2021年12月16日ごろのNZD/USDの週足滞在率のグラフですが、25週分の週足と50週分の週足のピークの中間値0.7075ドルよりかなり下の0.6763ドルが現在値になっています。
当時は、自分で決めたルールに従って、25週分の週足のピークは50週分の週足のピーク側、つまり右に動くということで、レンジ幅を設定しましたが、果たしてそうでしょうか?
現在値が25週分の週足の週足滞在率のピークより下(左)にあるということは、25週分の週足のピークはしばらくは動かないものの、60%以上あった滞在率が低くなってくるのではないか、ということになります。
下の図は、2021年12月に調べたNZD/USDの週足滞在率(点線)と、2022年1月に調べた週足滞在率(実線)のグラフです。
これを見るとわかるように、1月時点での25週分の週足滞在率は、12月時点での週足滞在率のピークだった0.700ドルくらいのピークは60%強から50%弱まで低くなり、直近の現在値の近傍の0.680ドルくらいに別のピークが出現しています。
更に、上のグラフで見極めレンジとした0.673ドル以下の値にも25週分の週足滞在率が現れており、12月に設定した際に懸念したシナリオの「長期レンジ(200週~約20年)のレンジの中間値である0.64方向へ動く」の確度が高まったと言えると思います。
現在値が25週分の週足滞在率と50週分の週足滞在率の頂点の間ない場合の考え方の見直しが必要ではないかと感じました。
現在値が25週分と50週分の週足滞在率の頂点の間にない場合をどう考えるか
今見てきたように、現在値が25週分の週足滞在率と50週分の週足滞在率の頂点の間にない場合、買いと売りの境界を頂点の中間値にする、ということに無理があるのではないかと考えるようになりました。
では、どうするか?
下の図は、この状態を表した模式図です。
何が正解は正直わかりませんし、正解があるとも思えないのですが、下の図の場合、現在値が頂点の左にあるので、時間とともに頂点は動かないもののその滞在率は少なくなり、現在値の値があまり変わらないと仮定すると、現在値付近に別のピークが現れる、と想像できます。
ただ、25週分や50週分の滞在率の分布から考えると、確率的には右側の値を付ける余地も残っていると思われます。
ということで、25週分の週足の滞在率のピーク(頂点A)と現在値の中間値xを、ハーフ&ハーフの境界、つまり売り注文と買い注文が切り替わる値としました。
また、買いレンジの下値は、滞在値がxでの滞在値aから半減した値yとし、売りレンジの上値は頂点Aの値zとしました。
マイナススワップへの対応を考える
FX取引では、多くの場合二国間の金利差があるため、金利差から生まれるスワップが発生します。
例えば、現在は、日本は実質マイナス金利(▲0.1%)ですが、米国はプラス(0.25%)です。この場合、両国の金利には0.35%の差があるため、10,000ドルあたり1日約10円前後のスワップ(利息)が付きます。
円を売って10,000ドルを買った場合は、1日あたり10円くらいが加算され、逆にドルを売って円を買った場合は、1日当たり10円くらいが減算されます。
なお、トラリピを提供しているマネースクエアのスワップは他社と比べるとあまり高くありません。(利用者にとっては不利)
FX取引では、このスワップを狙う取引手法もあるのですが、一般的にはトラリピの場合はスワップ狙いではないと言えると思います。
トラリピにおける先人の皆さんのマイナススワップへの考え方
トラリピを行っている方々のブログを見ていると、このスワップの意識の仕方が異なりのがわかります。
二人の偉大な先人でも違っていて、あっきんさんは『トラリピ運用を考える際にできるだけマイナススワップが発生する通貨ペアの取引はしないというマイルールを決めています』と書かれています。
もう一人の先人である鈴さんは、通貨毎にマイナススワップの影響を検証されていて、その結論としては、トラリピへのマイナススワップの影響は▲10%程度なので、『マイナススワップは無視して決済益を最大化しろ!!』と書かれています。
トラリピにおける私のマイナススワップへの考えは?
鈴さんが検証していただいているようにトラリピにおけるマイナススワップは、長い目で見れば大きなインパクトはないのかもしれません。
ですが、もともと1約定での利益額が100~200円という場合が多いトラリピにおいては、マイナススワップはボディーブローのように効いてくる、と3か月運用してみて私は感じました。
12月初旬にポジションを取った、ユーロポンド(EUR/GBP)が1,000通貨が現在約150円くらいのマイナススワップになっています。
このポジションを取ったトラリピ注文は既に削除していますが、ポジションが残った形で、トラリピの時と同じ決済注文を設定しています。
もし、この決済注文が今、約定したとしても、約定利益は+150円くらいなので、スワップと合わせれば±0円になるはずです。
現実的には、現在値とはかなり乖離があるので、決済注文が約定されるのはさらに先になると思われます。
ということは、今後決済されても収支は確実にマイナス、ということになります。
ということで、私は、あっきんさんと同様、マイナススワップが発生、特に10,000通貨で10円近くのスワップになる通貨ペアの取引は控えていこうと考えています。
マイナススワップの取引を控える前提での”週足滞在率”を使った設定を考える
マイナススワップの取引を控える、ということはハーフ&ハーフを使わない、ということになります。
その前提で、”週足滞在率”をどう使うかを考えます。
もっとも安易に考えれば、既に書いたパターン①とパターン②の買いレンジだけ、あるいは売りレンジだけとする、という案があると思います。
ただ、トラリピは、レンジ相場になっている範囲にトラップを仕掛ける、ということからすると、パターン①の売りと買いのレンジの範囲全体に、プラススワップになっている売りまたは買い注文を出すという案でも良いように思います。
ただ、それだと芸がないので、25週分の週足滞在率がピークの1/2となる値の幅(下の図の買いレンジ②)に、プラススワップとなる買いまたは売りで設定するということを考えました。
現在値が25週分と50週分の週足滞在率の頂点の間にない場合は、あるいみ若干イレギュラーなマーケットの状態ともいえるので、少し保守的に、パターン②の買いレンジまたは売りレンジだけでよいように考えています。
とはいえ、もし少し強気で考えるとしたら、パターン②の売りと買いのレンジの範囲全体に、プラススワップになっている売りまたは買い注文を出すという案でしょうか。
まとめ
先月2021年11月からスタートしたトラリピ。潤沢な資金があればほったらかしの設定でも良いのかもしれませんが、効率的な資金運用で、年12%以上、月1%以上の利益をと考えて、設定を色々試行錯誤して行きたいと思っています。
今回、3か月行って感じたこと、気が付いたことを踏まえて、設定のみなしを行いました。
トラリピの設定につかっている” 週足滞在率” の考え方を見直す
- トラリピの設定に”週足滞在率”(出現率)を調べて活用する
- 現在値が25週分の週足滞在率と50週分の週足滞在率の頂点の間にない場合の設定を新たに導入する
- ボディブロー的に効いてくるのでマイナススワップの取引は原則控える(ハーフ&ハーフは使わない)
- ハーフ&ハーフを使はない場合の”週足滞在率”を使った設定について新たに導入する
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