国民健康保険の保険料、住んでいる自治体で違うって知ってますか?

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@mihagiya は、以前、国民健康保険がいくらになるのか調べましたが、“国民”という名前が付いているので、保険料は全国どこでも同じだと思っていました

制度は国でも、保険料は市町村単位で異なり、最高と最低では2倍近く違います。

そうなると想像ですが、税収入が多い高齢者割合が低い都市部の自治体は保険料が安く、税収入が少なく高齢者比率が高い地方は保険料が高いということが想像できます。

実際のところ、どうなのでしょうか?

目次

国民健康保険の運営主体は?

国民健康保険の運営は、市区町村が担ってきましたが、平成30年に都道府県が運営主体へと変更になりました。

これは、市区町村では自治体の規模等により、財政状況が異なり不安定になる可能性があるため、大きな括りで安定的な財政運営や効率的な事業運営をおこなうために都道府県が中心的な役割を担うことになったようです。

ただ、都道府県は、運営主体として市区町村ごとの標準保険料率を算定・公表しますが、最終的に保険料を決めるのは市区町村となっています。

<出典:厚生労働省資料 より>

 

国民健康保険の保険料の算出方法は?

以前の投稿で、国民健康保険の保険料の算出方法を少し書きました。
具体的には、保険料の構成は医療分・支援分・介護分の合計で、更にそれぞれに均等割・所得割・平等割があると書きました。

横浜市や23区などの場合は、これでよいのですが、地方の自治体を中心に「資産割」とよばれるものもあるようです。

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自治体が選択できる算定方式が3つある!

「医療分」「支援分」「介護分」 について

「医療分」とは、加入者の医療費などに充てられる保険料で、国民健康保険に加入している人全員が負担する保険料です。なお、医療分には市区町村ごとに年間の最高限度額が設定されています。

「支援分」とは、後期高齢者(75歳。寝たきり等の場合は65歳)以上の医療費の一部を負担するために、国民健康保険に加入している人全員(0歳から74歳まで)が負担する保険料です。
なお、支援分には市区町村ごとに年間の最高限度額が設定されています。

「介護分」とは、介護保険制度(お年寄りや寝たきりの方など、介護が必要になった方が安心して介護サービスを利用できるようにする制度)の介護納付金として、40歳から64歳までの方が負担する保険料です。介護分には市区町村ごとに最高限度額が設定されています。

「均等割」「所得割」「平等割」「資産割」について

また、それぞれの内訳になってる均等割・所得割・平等割とは、以下のようなものです。

「均等割」とは、加入している人が均等に負担する金額です。国民健康保険には「扶養」という概念がないので、収入のない専業主婦や子ども、無職の方でも、国保に加入している場合は負担することになります。金額は市区町村ごとに設定されています。

「所得割」とは、加入している人の所得に対して負担する金額で、金額を計算する「所得割率」は、市区町村ごとに設定されています。なお、専業主婦や子供、無職の方など所得がない場合は負担なしです。

「平等割」とは、加入している世帯ごとに1世帯●●円という感じで負担するものです。なお、平等割は負担しない市区町村もあります。

「資産割」とは、固定資産の課税額に対して負担する金額です。金額を計算する「資産割率」は、市区町村ごとに設定されています。なお、資産割を負担しない市区町村もあり、資産割を負担しない市区町村が増えているようです。

3つの異なる方式について

どの項目を使うかによって、「2方式」「3方式」「4方式」の3通りに分けられるようです。

独立行政法人福祉医療機構 国民健康保険料(税)の概要について を参考に作成>

最近は、4方式を採用する自治体が減り、3方式や2方式を採用する自治体が増えているようです。

<出典:総務省 市町村税課税状況等の調査


上記のように、市町村毎に方式が違ったり金額や率が異なり、更に上限額が異なるので、これらの違いによって同じ年齢、所得や家族構成でも世帯当たりの国民健康保険料は異なるのです。

自治体でどのくらい違うの?

Googleで「国民健康保険 最安値」と検索すると、いくつかヒットしますが、その中で「移住支援.com」というサイトをみると、平成29年度「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」厚生労働省保険局調査課によるランキングが示されています。

このHPによれば、都道府県ランキングでいうと

国民健康保険の都道府県別ランキング(上位・下位5位)

  1. 安い都道府県 : ①埼玉県、②神奈川県、③愛媛県、④東京都、⑤茨城県
  2. 高い都道府県 : ①徳島県、②佐賀県、③山形県、④大分県、⑤熊本県

となっています。

となっています。
事前の予想通り都道府県別にみると、都市部は保険料が安く、地方部、ランキングを見ると九州が高い、という感じのようです。

健康保険料は、市区町村が決定すると書きましたが、このサイトには、市区町村別の安いトップ10、高いトップ10も公開されています。
これによれば、上位・下位3位を見ると

国民健康保険の市町村別ランキング(上位・下位3位)

  1. 安い市町村 : ①御蔵島村(東京都)、②帆加内町(北海道)、③根羽村(長野県)
  2. 高い市町村 : ①天塩町(北海道)、②阿波市(徳島県)、③多良間村(沖縄県)

となっています。
この結果をみると、市町村別にみると、少なくとも必ずしも地方部だから高い、ということではなさそうですね。

移住したい|失敗しなã...

 

みはぎや夫婦の場合はどうなる?

前提条件として、私 @mihagiya が試算した私と妻の年金収入でみはぎや夫婦の場合を考えてみたいと思います。
以前書いたように、私と妻の65歳以降の年金収入は以下の通りになると思います。

みはぎや夫婦の65歳以降の年金収入(予想)

  1. 私 : 年金収入 326万円
  2. 妻 : 年金収入  85万円

この場合、私が現在住んでいる横浜市の国民健康保険の保険料は年間25.5万円(月額2.1万円)になると思います。
年金収入は、税法上は雑所得になるらしく、その控除額は年齢と年金収入によってことなります。
国税庁のHPをみると控除額がいくらになるかがわかります。

上の年金収入の前提だとすると、

みはぎや夫婦の65歳以降の年金所得計算(予想)

  1. 私 : 年金収入326万円 ー 年金控除額110万円 = 年金所得 216万円
  2. 妻 : 年金所得 0円(65歳以上で年金収入が110万円未満のため)

となります。

この所得からの所得控除額43万円を引いた額の世帯合計額、つまり私たちみはぎや夫婦の場合は216-43=173万円が所得割礎算定額になります。

各自治体の基礎数値を調べてみる

公式HPに国民健康保険の算定のための基礎となる、均等割や平等割の金額や所得割の率などのデータが自治体の多くでは公開されています。

ここでは、都市部として、私が住んでいる横浜市、娘が住んでいる渋谷区、私の実家がある北九州市、妻の実家がある壱岐市、ランキングから同じ北海道なのに安い・高いトップ5に入っている幌加内町と天塩町で試算してみたいと思います。

まず、各自治体のHPから算定の基礎になる数字を拾ってみました。赤字は項目の中で最も高いところ、青字は最も低いところです。
ほとんどの項目で、 幌加内町が最も割安になっています。

早速試算してみると

基礎数値を使って、私たち夫婦が65歳で年金収入だけになった場合の、国民健康保険料がいくらになるのか試算してみたいと思います。

私たち夫婦が65歳になった時という前提なので、「医療分」「支援分」は支払う必要がありますが、「介護分」は負担する必要がありません
「医療分」「支援分」の計算は、いずれも同じで、

  均等割額×人数+所得割基礎算定額×所得割率+平等割

で求められます。

先に上げた6自治体について試算した結果は次の通りです。

驚いたことに、最も高い年間約28万円の壱岐市と、最安の年間約15万円の幌加内町では、倍半分近く違うという結果になりました。

これは、驚くべき実態ですね。
それにしても、なぜ、幌加内町はこんなに安くて国民健康保険が提供できるのでしょうか?
調べていくと、そのカラクリというか原因がわかるかもしれませんが、今の僕にはまだ、わかりません。

国民健康保険料のことだけを考えれば、住民票を北海道の幌加内町に置く、というのが最も有利、ということになりますね。

もちろん、住民税や住民サービス等の面で必ずしも住んでいないところに住民票を置くというのは、得策ではないと思うので、安易に考えるべきではないと思いますが、自分の自治体がどのくらいの位置にいるのかは、知っておいた方が良いように思います。

まとめ

サラリーマンにとっては、国民健康保険はあまりなじみのない制度だと思いますが、リタイヤ後や最近はやりのFIRE(Financial Independence, Retire Early)などで厚生年金に加入できなくなった場合にお世話になる制度です。

その意味で、少し勉強して、実情を確認しておくことは大切かなぁと思いました。

まとめ

国民健康保険料は自治体によって異なる

  • 国民健康保険の運用主体は都道府県保険料金の決定は市町村
  • 国民健康保険料の算出は、3通りの方式がある
  • 市町村別見ると、必ずしも都市部が安く地方部が高いというわけではない
  • 私たち夫婦で試算すると、住む市町村で倍半分近く違う
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この記事を書いた人

還暦もすぐそこに迫り、そろそろサラリーマン人生もカウントダウン。
人生100年時代と言われていますが、2021年夏から88歳の義母との同居を開始したことで、より一層残りの人生を考えるようになりました。
これからの「生き方」について、自分の考えの整理と備忘もかねてこのブログを作っていきたいと思います。

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